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今回は、レンタルサーバーにおけるSLA制度について紹介します。
ITサービスというと、形のない、実体のない価値の提供になります。
実体のない価値に対して、何らかの客観的指標を用いて品質保証を行うのが、SLA制度です。
一般的には安定性を品質の指標とするところが多いですが、そもそも「何をもって正常・障害と判断するのか」という点が各社であいまいです。
インターネット接続の場合、完全に接続できなければ障害発生ですが、何らかの原因で非常に低速な、実用上使い物にならないネット環境になっても、接続障害というのかは各社で判断が分かれます。
目次
SLA制度とは
SLAとは、サービスレベルアグリーメント(Service Level Agreement)のことで、「ITサービスの品質を保証します。」ということを意味しています。
そのため、「SLA制度」が登場するシーンは、ITに関するサービスを受ける場合です。
身近ではネット回線やレンタルサーバーがあるでしょう。
レンタルサーバーの品質とは、一般的には1か月単位の稼働時間のことです。
仮に1か月30日とすると、時間換算で24×30=720時間になります。
この720時間のうち、何時間サーバーが稼働していたかの割合がSLA制度です。
最近ではレンタルサーバーでSLA制度が一般的になってきたので、レンタルサーバーを例にSLA制度を説明します。
ネット回線では、ベストエフォート型の品質が主流です。
本サービスはベストエフォート方式のため、通信速度や通信品質を保証するものではありません。
出展:ソフトバンク光
ベストエフォート型は、「サービス品質の維持にできる限りの努力をする」程度の意味であり、SLA非対応サービスということになります。
SLA制度の例
mixhostの場合
mixhostでは、SLA制度で99.99%を保証しています。
月720時間なので、720×0.9999=719.928時間の稼働を保証します。
停止してもいい時間は、0.072時間=4.32分です。
仮にひと月4.32分以上使えない時間があれば、自分でmixhostに申請することにより、規定額の返金が行われます。
- 99.99%未満99.50%以上:10%の返金
- 99.50%未満:30%の返金
ただし
- 1回あたり1分未満の障害は除外
- 小数点第3位以下は切り捨て
- 利用者が申請する必要がある
といった制約があります。
ConoHa WINGの場合
ConoHa WINGは、mixhostよりも品質保証レベルが高いです。
品質としては、
- 99.99%未満99.9%以上:10%
- 99.9%未満:30%
であり、完全にサーバーに接続できなくなった場合をいいます。
(サーバーが重くなる、遅くなるは対象外)
しかし、mixhostと同様に、SLA制度の申請には、自分から申し込む必要があります。
SLA制度の課題
SLA制度で問題なのが、自分で気づけばというところ。
夜寝ている間にサーバーがダウンし、実際にはサーバーが停止していたとしても、自分が気付かなければSLA制度の返金申請はできません。
(当たり前のことですが、そもそも睡眠中にサーバーダウンに気付かないので、申請できないというオチがあります。)
また、99.99%の稼働率は月間4分以内の停止時間であるにも関わらず、1回あたり1分のサーバーダウンは計算から除外されるなど、何かと条件が厳しいです。
1分未満のサーバー障害を累積すると、累計分以上のサーバーダウンとなり、で99.99%を保てていない可能性もあります。
たった4分と、非常に細かいことを書いているように見えるかもしれませんが、SLA制度の趣旨としては非常に厳格なサービス品質保証を確約するようにという意味が込められています。
SLA制度には、「そもそも形のないITサービスに対して費用が発生するので、この辺りを明確にしましょうね。」という背景がありますから、不透明な判断基準は混乱をまねく元です。
※それなら最初からベストエフォート型にすればいい話です。
また、サーバーダウンは単なる機会損失ではありません。
広告を出稿している企業のサーバーの場合、サーバーダウンの間の広告費は無駄な出費(損失)になります。
ユーザー目線で見ると細かいようですが、品質保証は結構重要です。
レンタルサーバーにおけるSLA制度は現状あまり意味がない
mixhostやConoHa WINGに限りませんが、SLA制度はこの辺りがグレーな制度になっています。
SLA制度の背景的に、グレーな部分があってはいけないです。
つまり、SLA制度は実質的に機能していないとみるのがいいでしょう。
以上より、レンタルサーバーにおけるSLA制度はグレーな部分が多いので、私はあまり気にしていません。
サーバー障害が多いか、少ないかは、ネット検索で利用者の声を見ればある程度分かるので、そちらを基準にするのもいいでしょう。
例えばエックスサーバーはSLA制度非対応ですが、安定性の高さで定評があります。
SLA制度を全面的にアピールしているレンタルサーバーは、品質にこだわっているのは事実ですが、その限りではないことも知ってい置くことが重要です。
まとめ
SLA制度とは、レンタルサーバーの品質を保証するものです。
レンタルサーバーの品質とは、稼働時間、つまり安定性です。
一般的にはひと月単位で、その何%サーバーが稼働するかを保証するもので、規定の品質(稼働時間)を下回れば、規定に沿った返金が行われます。
しかし、SLA制度の適用には利用者自身の申請が必要になり、知らないうちにサーバーダウンして復帰していた場合など、SLA制度が適用できるかというと微妙でしょう。
(そもそも、サーバーダウンに気付いていないので、SLA制度の申請自体を行わないでしょう。)
こうした部分でSLA制度にはグレーな部分も残っているのですが、サーバー会社が提供を保証するサービス品質として、参考値にはなると思います。
以上、SLA制度について、参考になれば幸いです。